猫の腎臓病について
猫はもともと驚くくらい水分をあまりとらない動物だと言われています。
なので逆によく水を飲むという猫や、排尿の回数が多く量もなんだか多い場合には、病気が潜んでいる可能性があります。
その病気というのは腎臓病です。
目次情報
1. 猫の腎臓病の症状
2. 年老いた猫・・・こんな症状はありませんか?
2-1. 老猫に多い「腎不全」とは?
2-2. なぜ猫は「腎不全」になってしまうの?
3. 大切な猫ちゃんを「腎不全」にさせないためには?
3-1. 対症療法
3-2. 食事療法
猫の腎臓病の症状
水をちゃんと上げているけど、あまり水を飲まないと心配する人もいるかもしれませんが、もともと猫はあまり水を飲みません。ただ、逆によく水を飲むという猫や、排尿の回数が多く量もなんだか多いみたい。というような場合には、病気が潜んでいる可能性があります。その病気というのは腎臓病です。
猫はもともと、自分の体内の水を再利用することが出来る仕組みがあり、そのために外部から水を摂取する必要が少ないので水分の摂取量が少ないんです。体内の水分を再利用するためには、体内の水分をろ過する機能である腎臓をフル活用する必要があります。
でも、この腎臓の機能が衰えると、体内の不要なものを尿として積極的に排出し、排出した分の水分は積極的に外部から摂取する必要がありますので、水を多く飲むようになりますし、排尿も多くなるんです。
ただ、この腎臓病の怖いところは、初期の段階では症状がほぼなく、水を飲む量や尿の回数や量が多くなるころはすでに中期に移行しており、本格的な腎臓病の症状が出てくる頃にはすでに末期の状態で、すでに腎臓の機能の75%程度は失われてしまっている状態になってしまうんです。初期の段階で見るけることは難しくても、中期の段階で発見できればまだ病気の進行を遅らせることもできますので、水の飲み方や、排尿の回数や量は日頃からチェックするようにしておきたいですよね。
年老いた猫…こんな症状はありませんか?
小さい頃は活発に走り回っていた猫ちゃんも、だんだん年齢を重ねてくると、その行動は変化していきます。
もちろん年齢を重ねたから、穏やかになってくるものなのですが、ちょっといつもと違う、という場合、大きな病気が隠れていることも考えられます。
猫ちゃんに以下のような症状はありませんか?
- 最近以前より食べる量が明らかに減った
- 体重が以前より減ってきた
- お水を飲む量が増えた気がする
- おしっこの回数が以前よりも増えた
- なんだかふらついている感じがする
- お口のなかの粘膜が青白い色になっている
こういった症状が見てとれる場合、もしかしたら「腎不全」の疑いがあるかもしれません。
老猫に多い「腎不全」とは?
歳老いた猫ちゃんに多くみられる「腎不全」とは、おしっこの濾過する「ネフロン」というものがだんだん壊れてしまい、機能しなくなってしまうもの。
まったく機能しなくなってしまった状態を「慢性腎不全」といいます。
「急性腎不全」の場合は1日でこの腎臓の機能が壊されてしまうんだとか。
いっぽう「慢性腎不全」の場合は、徐々に数か月から何年かかけて壊されていくのです。
先ほど挙げた症状のほかに、以下のような病気とも関わっているのが「腎不全」です。
- 骨がもろくなる
- 高窒素血症
- 副甲状腺機能亢進症
- 末期の尿毒症
腎臓ではホルモンを生成しているので、腎臓の細胞の数が減っていくことにより、必要なホルモンの生産量も減少します。
ここで生産されるホルモンには赤血球を作り出すのを促す働きもあるため、ホルモンが減ることで「貧血」になります。
またさらにここで生産されるホルモンには血液の中のカルシウムの濃度を濃くする作用もあるため、ホルモンが減ると副甲状腺機能亢進症の原因になってしまうのです。
なぜ猫は「腎不全」になってしまうの?
猫はヒトに比べて「腎不全」になる確率が高いのですが、なぜなのかはまだわかっていません。
仮説として言われているのは、猫がほかの動物よりも腎臓のなかの「ネフロン」の数が少ないということです。
いまわかっている範囲で、「腎不全」になる原因として考えられているのは以下のようなことがあります。
その猫の基礎的な疾患
もともとその猫ちゃんが糖尿病や腎硬化症、水腎症、多発性嚢胞腎、間質性腎炎などを起こしていると、「腎不全」になりやすい傾向があると言われています。
遺伝的な要素
猫ちゃんの品種によって、「慢性腎不全」を起こしやすい傾向のものがあるとされています。
具体的にはペルシャ、アビシニアンなどで、「常染色体優性遺伝」といわれています。
大切な猫ちゃんを「腎不全」にさせないためには?
大切な家族である猫ちゃんを「腎不全」にさせないためにはどうすればいいのでしょうか。
現在のところ考えられている方法を、ここでおさらいしてみましょう。
対症療法
今現在の既往症や症状を軽くするための治療を行います。
血液の透析や、輸液、腹膜灌流、ホルモン剤を投与したり、窒素化合物を吸着するためのお薬などの治療をします。
ホルモンのお薬を使う
腎臓で生産されるホルモンが減少したものを補うために、そのホルモン剤を使っていきます。
心臓のためのお薬を使う
腎臓の機能が低下すると、高血圧を引き起こすことがあります。
この場合は、心臓の血圧を下げて安定させるためのお薬を使います。
食事療法
塩分やたんぱく質を調整した食事を摂らせます。
低たんぱく、低ナトリウムが基本なのですが、獣医師の指示に従って与えることがとても重要です。
また最近では「腎不全」の猫ちゃんが多いことから、それ専用の療養食なども出てきていますので、そういったものを利用することもあります。
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